Homeタブレット創刊号鍼灸師・貴戸義人

治療の現場 鍼灸師・貴戸義人

名人、いやハリ博士と呼びます。

ジェームズ

 推間板ヘルニアというたまらなく腰が痛む病がある。そのヘルニアに苦しんだ時期がある。 25年前の話だ。手術をすることになっていた。失敗もありうるということで、当時、中国の麻酔鍼の噂を期待して 、ハリで治せれば、と考えていた。当時の職業別電話帳には「ハリ・灸」「ハリ・灸・マッサージ」 「マッサージ・指圧・整体」と項目が分かれ、ハリを施す療院を調べると、北九州市内に約百件近くがあった。 最初に行って、最終的に戻ってきたのが「貴戸鍼灸専門院」だった。その間、約50件のハリ治療院を訪ねて回った。 同じハリ治療院でもこんなに技術の差のあることが信じられない程、期待はことごとく裏切られ続けた。  多くの療院にはハリを受ける患者よりもマッサージに来ている人が多く、期待するハリ治療はぎこちなかった。   ハリ治療を初めて体験し、中国医学の神秘性を体感したのは、もう一度言うが「貴戸鍼灸専門院」だった。

  

 現在の整体マッサージでも、女性に受けるイメージ戦略で宣伝しているが、イメージと効力は決して比例しない。 マッサージも国家試験がある。目の不自由な人達が仕事をした時代は、その資格を必ず持っていた。やがてマッサージや整体、 エステなどがごちゃごちゃになり、目の不自由な人達に替わって、中国や韓国の人、そして若い女性の仕事として、 今は行われている。とにかく価格は二倍にはね上がった。「ハリ灸・マッサージ」の療院も、今では「整体・整骨・ マッサージ・ハリ灸」と看板を変えて時代に乗った。

 
ジェームズ

 話を戻そう。顔も洗えない位の腰の痛みが、徐々にとれ3ヶ月後には薄らいできた。ハリと灸だけで、脛推の陥没はそのままで、  痛みは消える。手術をして、脛推を整えても痛みが残ることがある。それ以上は手の施しようがなく、これが西洋医学の限界だ。  事実、そんな患者さんが多く、貴戸鍼灸師の元へ通院している。 高校入学と同時に眼精疲労になり、目をわずらった。  仕方なくハリ・灸への道へ進む。が、免許をとっても専門書のようには患者を治すことができなかった。  鍼灸師としての資質が備わっていた事。やる以上は尊厳も得ようとしていた。 思い切って東京のハリ名人の元へ訪ねる。そこは信じられない程の患者さんがあふれた「聖地」だった。定期的に上京し、 実践、解釈、理論、心得を実践から学んでいった。貴戸鍼灸師も次第に自信のつく治療と結果を出していくことができた。 次は四国の名人の元へ。こうして名人からの技術を伝授され、彼は完全にハリの魅力に取りつかれた。ハリは道具、免許も紙にすぎない。 治すのは技術と努力と経験。「ハリばか先生」の異名を患者さんからいつの日か頂き、日本での指折りの名人となった。 花粉症からリユウマチ、西洋医学お手上げの症状までも治す。症状の出る体をハリ・灸によって変え整えていく。 だから不可能が可能になる。ハリを通して人が持つ体の治癒力を呼び起こす。今では奇跡的な治療でさえ、珍しくはなくなった。  そんな先生はハリ博士でもある。

  
ジェームズ
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